1年の締めくくりに向かい、新しい出会いやふれあいが多く生まれるこの時期ならではのイベントについて、JDN編集部がおすすめの10選をご紹介します。ぜひお出かけの参考にしてください。
さわれる!建築模型展
東京・品川のWHAT MUSEUMでは、10月16日まで開催されていた「建築模型展 -文化と思考の変遷-」の番外編として、新たに体験型の展示を再構成した「さわれる!建築模型展」を11月13日まで開催しています。
同展では模型展示のほか、模型の制作体験や期間限定でワークショップイベントが予定されています。建築物が完成にいたるまでの試行や検討のツールとしてはもちろん、建築家自身の思考や表現が凝縮された建築模型。実際に触れる体験を通して創造力を刺激し、建築模型の価値や魅力を知る機会となるでしょう。
DESIGNART TOKYO 2022
表参道や渋⾕、六本⽊などを舞台に、アート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なジャンルで活躍するクリエイターが集結し、都内各所でプレゼンテーションをおこなう⽇本最⼤級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」。
今年のテーマは「TOGETHER~融合する好奇⼼~」。同イベントは、各展示を回遊しながら街歩きが楽しめ、気に入ったらその場で購入可能な作品が多いのも大きな特徴です。さまざまなクリエイターが織りなすプレゼンテーションを好奇心のおもむくままにお楽しみください。
会場:都内のギャラリー、ショップ、商業施設、スペースなど92展示
https://designart.jp/designarttokyo2022/
TOKYO ART BOOK FAIR 2022
アート出版に特化した、日本ではじめてのブックフェアとして2009年にスタートした「TOKYO ART BOOK FAIR」。アートブック、ZINEなどを制作する出版社やギャラリー、アーティストなどがブースを持ち、来場者と直接交流しながら書籍の売買をおこなうイベントで、2万人以上が来場するアジアで最大規模のアートブックフェアです。今年は国内外の約200組が出展予定。
今回は特別展として、ファッションブランドのボッテガ・ヴェネタや資⽣堂が出展するほか、ワークショップやトークショー、作家によるサイン会などが予定されています。
また、ひとつの国や地域に焦点を当て出版⽂化を紹介する企画「Guest Country」ではフランスを特集。著名なアートコレクターであるイヴォン・ランベールのアート出版活動の紹介や、古本・絵はがきなどを販売する屋台「ブキニスト」を模したコーナー、アート性の高いフランスと日本の絵本が自由に読める「Kid’s Reading Room」など、同国の出版⽂化を多⾓的にひも解く展⽰を見ることができます。
会場:東京都現代美術館
https://tokyoartbookfair.com/
からくりの森
セイコーウオッチ株式会社が10月20日にオープンした、時計の新たな可能性を育み、腕時計のさまざまな楽しさを体験できる発信拠点「Seiko Seed(セイコー シード)」。そのオープニングを飾る展覧会「からくりの森」が11月6日まで開催しています。
同展は、アーティストのクワクボリョウタさんをアドバイザーに迎えて制作した「時計仕掛けの森」と、エンジニア集団のnomena(ノメナ)の企画提案をもとに共同で制作した「時計の捨象」の2つのインスタレーションで構成。腕時計の中にいる小さな機械たちが外に現れ、自由自在に動く針の動きや、自然の美しい音を奏でる様子を楽しみながら体感できるようになっています。今まで気付かなかった「時」の移ろいと表情を楽しみつつ、腕時計の仕組みやおもしろさ、技術の広がりをぜひ会場で実感してください。
会場:Seiko Seed
https://www.seiko-seed.com/karakurinomori2022/
TAJIMI CUSTOM TILES TOKYO 2022
日本の一大タイル産地の岐阜・多治見で2020年に立ち上がった、タイルのカスタムメイドを手がけるブランド「TAJIMI CUSTOM TILES」。「ビスポーク・タイル」という発想で、世界中の建築家やデザイナーに向け、オリジナルのサイズ、形、色、質感のフルカスタムタイルを制作しています。
「TAJIMI CUSTOM TILES TOKYO 2022」では、デザイナーのロナン&エルワン・ブルレックを迎えて今年6月のミラノデザインウィークで発表した作品に新たな作品を加え、インスタレーションの発表がおこなわれます。展示されるオブジェはタイルとして制作されましたが、従来の考え方を超えた視点をもたらし、カスタムメイドのタイルが持つ壮大な可能性を表すことを目指しています。
会場:LICHT
https://item.licht-gallery.com/?pid=170806980
私の選んだ一品 -デザインの手ざわり-
さまざまな分野のデザインが5,000件以上応募されるグッドデザイン賞。多様な領域の最前線で活躍する国内外のデザイナーや建築家、研究者、企業経営者などの審査委員が、それぞれの知見に基づいて議論を重ね、受賞を決定しています。同イベントは、審査を離れ、審査委員一人ひとりが個人的なお気に入りや、注目した受賞デザインを選び、紹介する毎年恒例の企画です。
今年は、国内外のグッドデザイン賞、ロングライフデザイン賞の審査委員、全99名が選んだ「一品」90点を、そのデザインが活用される9つの領域に分類し、審査委員のメッセージとともに紹介します。さまざまな視点から生活や産業、社会のデザインに取り組む審査委員が選ぶ今年の「一品」からは、私たちが生きるいま“2022年のデザインの手ざわり”を感じることができます。審査委員が注目した90のデザインから、あなたは何を感じ、どんな未来をイメージするでしょうか。
会場:GOOD DESIGN Marunouchi
https://www.g-mark.org/gdm/exhibition.html
Café Manz(カフェ・マンツ)/併催「セシリエ・マンツのかたちとつくり」
家具メーカーの株式会社マルニ木工が今年の春、家具ブランド「MARUNI COLLECTION」から発表したセシリエ・マンツの新作家具シリーズ「EN」。その新作家具とセシリエが2021年に1616/arita japanから発表した有田焼のテーブルウェアシリーズ「CLAY」を使った「Café Manz(カフェ・マンツ)」が期間限定でmaruni tokyoにオープンします。
コペンハーゲンの小さなカフェをイメージした店内で提供されるコーヒーは、マルニ木工と同じ広島出身のOBSCURA COFFEE ROASTERSが、今回のためにオリジナルでブレンドした豆で淹れた特別な一杯。家具、テーブルウェア、コーヒー豆などは、カフェ内で直接購入することも可能です。また、カフェ内では「EN」と「CLAY」のデザインの特徴をビジュアルとともに解説する企画展「セシリエ・マンツのかたちとつくり」も併催。実際に家具やうつわに触れながら、その魅力を感じてみてください。
会場:maruni tokyo
https://www.maruni.com/jp/topics/post-36884.html
JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK 2022
都内のライフスタイルショップを巡りながら、日本各地の伝統的工芸品に出会えるイベント「JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK」。9回目を迎える今年は、25のショップが参加し、それぞれのショップが独自の見立てで選んだ伝統的工芸品の魅力を紹介します。
今年は、銀座・中目黒の2エリアに絞り回遊性を向上。会期中、中目黒エリアの「tokyobike 中目黒」では予約制で無料にてレンタルバイクを利用可能とのこと。また、参加店舗では産地のものづくり体験や工芸品の使い方を紹介するワークショップも開催されます。東京で街歩きを楽しみながら、生活に彩りを添える、美しい伝統的工芸品に出会ってみませんか。
会場:都内2エリア・25のライフスタイルショップ
https://jtcw.jp/2022/
COSONCO QS FIRST EXHIBITION at polygon 青山
北海道・旭川で木製家具の製造販売をおこなう株式会社カンディハウスと、北海道・砂川で馬具、皮革製品の製造販売をおこなうソメスサドル株式会社が立ち上げたブランド「COSONCO QS(コソンコクス)」。デザイナーに倉本仁さん、アートディレクターには谷内晴彦さんを迎えています。ブランドデビューに合わせ、東京・表参道のpolygon青山を会場に、ファーストエキシビションを開催します。
製造過程で生じる端材を積極的に取り入れ、玩具でも置物でもない、日常のかたわらで豊かさを感じられるアートオブジェをつくり上げた同ブランド。自然の恵みから享受した良質な素材を、単なるアップサイクルに留めず、製造の川上から川下まで、一貫性を持った適切な価値を市場に提案しています。
会場:polygon青山
https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/567/
“DISSECT” by Ambientec
水中撮影機材の開発製造を技術的背景に、独自の製品展開でインターナショナルブランドとして着実に躍進しているポータブル照明ブランド、株式会社アンビエンテック。同社は、今年60周年を迎えたミラノサローネ国際家具見本市の前夜祭(ガラ・ディナー)のスポンサーとして抜擢され、田村奈穂さんデザインの「TURN +(ターンプラス)」120灯を使い、晩餐会を彩りました。
ミラノでの特別な一夜を共に演出したのがプラントアーティストの川本諭さん。この出会いがきっかけとなり、両者によるインスタレーションが東京で実現。灯りと植物の必然の関係性や、独自の解釈を披露します。ミラノサローネのクローズドなディナーの雰囲気を体感してみてください。
会場:LIGHT BOX STUDIO AOYAMA
https://designart.jp/designarttokyo2022/exhibitions/592/
10種類のイベントをご紹介しましたが、今の時期はこのほかにもたくさんのイベントがさまざまな場所で開催されています。晴れた日には外出するのにちょうどいい季節。ぜひ新たな出会いを求めてお出かけしてみてください!
執筆:岩渕真理子(JDN)