2024年度グッドデザインニューホープ賞、最優秀賞は入院している小学生が対象の“あそびのスターターキット”
猪村真由(慶應義塾大学 看護医療学部看護学科 既卒)
板谷勇飛(慶應義塾大学 環境情報学部 B3)
飯島百々葉(埼玉大学 教養学部教養学科 B3)
松井晴大(慶應義塾大学 総合政策学部 B4)
日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン・ニューホープ賞」2024年の最終審査が12月7日におこなわれ、同日に結果が発表された。最優秀賞は、入院している小学生を対象にしたあそびのスターターキット「アドベンチャーBOX」。
「グッドデザイン・ニューホープ賞」は、将来のデザイン分野の発展を担う新しい世代の活動を支援することを目的に、2022年からスタートしたデザイン賞。大学や専門学校などに在学中の学⽣や、卒業・修了直後の新卒社会人によるデザインを対象に、「優れたデザイン」を選んで推奨するもので、今年で3回目の開催となった。
大学や専門学校などのゼミの課題制作や卒業制作、自主研究などのデザインで応募できることが特徴で、応募カテゴリーは「物のデザイン」「場のデザイン」「情報のデザイン」「仕組みのデザイン」の4つに分かれている。
今回は、過去最多となる応募総数606点の中から94点が受賞し、うち8点が優秀賞として最終審査に進んだ。最優秀賞の「アドベンチャーBOX」は、入院している小学生にあそびという魔法を届けるあそびのスターターキット。置かれた環境を何かに見立てたり、いたずら心の赴くままに想いを表出する創造的なあそびを通じて、好奇心や想像力を育み、闘病体験に前向きな物語を紡ぎ直すきっかけを創出することを目的としている。
最優秀賞受賞チームの代表で慶應義塾大学 看護医療学部 看護医療学科卒の猪村真由は、「いちばん子どもたちの思いを知っている現場で働く看護師や保育士の皆さんの思いを受け取って、デザイナーの方と二人三脚となり、自分一人では成り立たないプロセスで賞をいただけたことをとても嬉しく思っています」と、話した。
審査委員長はパノラマティクス主宰の齋藤精一、審査副委員長は建築家の永山祐子が担当。グッドデザイン賞の審査委員長も務める齋藤は、今年のグッドデザイン大賞選出を経た総括が「はじめの一歩から ひろがるデザイン」だったことに言及し、以下のようにコメント。
「みなさんのピュアな熱量とモチベーションは絶対に忘れないでほしいですし、私たち大人こそ、その視点や姿勢を学ばないといけないと思いました。今後も、いま持っている熱量と自分の視点を大切に芽を伸ばしていってほしい」。また、永山は「こういう方々が活躍し世界に出ていけるよう、ニューホープ賞やグッドデザイン賞があるように思います」と述べた。
受賞者には、企業でのインターンシップやデザイナーによるワークショップへの参加などの独自のプログラムが展開される予定だ。
グッドデザイン・ニューホープ賞 公式ホームページ
https://newhope.g-mark.org/
初出:コンテスト情報サイト「登竜門」
https://compe.japandesign.ne.jp/news/2024/12/78219/