10月も半ばになり、秋らしい爽やかな季節がやってきました。毎年この時期は、都内のさまざまな場所で多種多様なクリエイターが参加する、デザイン&アートイベントが催されています。
個性豊かな旬のクリエイターが参加する、おすすめのデザイン&アートイベントを編集部が厳選。会期の早い順にご紹介します!
■ゴミうんち展
メインビジュアルからしてインパクト大の「ゴミうんち展」。いまの人間社会において大きな問題であり、文化的にもどこか見たくないものとして扱われている「ゴミ」と「うんち」をフォーカスした展覧会です。
本展では身の回りから宇宙までを見渡し、さまざまな「ゴミうんち」を扱います。そして、ゴミうんちを含む世界の循環を「pooploop」と捉えています。展覧会ディレクターは、佐藤卓さんと竹村眞一さん、アートディレクターは岡崎智弘さん。
これまで目を背けてきた存在にもう一度向き合うことで、社会問題だけではなく、さまざまな側面が見えてくるはずです。
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
https://www.2121designsight.jp/program/pooploop/
■TOKYO ARTSCAPES 2024
インテリアブランドIDÉEと無印良品が2011年からおこなってきた、日常芸術をテーマにアート(=文化)を広げるプロジェクト「Life in Art」。
今回は“体験”をテーマにかかげ、日常芸術をそうぞうするアートイベントを開催中。「Exhibition」「Performance」「Fair」「Research」の4つセクションで構成されており、アートやリサーチなどを通じ、日常を文化的に想像させる多様なコンテンツが展開されています。
有楽町や丸の内、日比谷など周辺の街が舞台となっているので、お出かけのついでにふらっと訪れるのはいかがでしょうか?
会場:無印良品 銀座、YAU CENTER、日比谷 OKUROJI、東京国際フォーラム ほか
https://www.idee-lifeinart.com/exhibition/tas2024/
■Seiko Seed Exhibition「からくりの森」2024
腕時計の新たな可能性を育み、腕時計のさまざまな楽しさを体験できる発信拠点「Seiko Seed(セイコー シード)」では、セイコーの機械式腕時計の特性とムーブメントに込められた技術の可能性を伝える展覧会シリーズ「からくりの森」を開催しています。
シリーズ3回目となる今回は、セイコーウオッチのデザイナーのほか、アーティストの小松宏誠さん、エンジニアリングデザイン集団のsiro、SPLINE DESIGN HUB∔siroの3組を迎え、機械式腕時計のエッセンシャルな要素のさらなる可能性を体感できる展覧会です。
本展では、時を正確に刻み続ける機械式腕時計の精緻な動きからインスパイアされ、その機構を応用した作品をアートやエンジニアリングデザインの分野で活動するクリエイターたちが、それぞれの専門領域の知恵と技でつくり上げました。「1分」「1秒」という普遍的な単位を、それぞれの感性で豊かに表現しています。
会場:Seiko Seed
https://www.seiko-seed.com/karakurinomori2024/
■walking sticks & canes
ミラノ在住のデザイナー・武内経至さんが企画・キュレーションを務める、総勢18名のデザイナーによる杖の展覧会「walking sticks & canes」の巡回展がKarimoku Commons Tokyoで開催。
医療技術などの発展により、急速に長寿命化、高齢化が進む現代社会において、“高齢者が持つもの”というイメージが強まりつつある杖。現代社会における、杖のさまざまな意味や考え方を紹介するべく、武内さんを中心に世界中から18名のデザイナーが集結し、各々が自由な発想のもとにデザインした杖を展示します。
今年のミラノデザインウィーク 2024の期間中、トリエンナーレミラノで開催され、好評を博した展覧会です。
会場:Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース
https://commons.karimoku.com/news/detail/240927/
■DESIGNART TOKYO 2024
デザイン・アート・インテリア・ファッションなど多彩なプレゼンテーションをおこなう日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」。開催エリアは、東京の表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・広尾・銀座です。
2024年度のメインテーマは「Reframing~転換のはじまり~」。オフィシャルエキシビションでは、現代美術キュレーターの金澤韻(こだま)さん、インテリアスタイリストの川合将人さん、伝統技術ディレクターの立川裕大さん、芸術監督の青木竜太さんといった各分野のエキスパートがキュレーションした作品が展示されます。
同イベントでは、既存の概念や思考に縛られ、無意識に本質や解釈に制限をかけている世の中に問いかける作品が一堂に会します。今回の参加クリエイターは約300名、会場数は約100カ所を予定しており、東京の街中をデザイン&アートイベントが彩ることになるでしょう。
会場:東京都内各所(詳細は公式サイトを参照)
https://designart.jp/designarttokyo2024/
■CREATE MORE FUN
ソニーのデザイン部門であるクリエイティブセンターが、「DESIGNART TOKYO 2024」に参加し、CMF(Color, Material, Finish:色、素材、仕上げ)の可能性をフィジカルとデジタルの両面から探求する「CREATE MORE FUN」を展示します。会場は、グローバルファニチャーブランド「Stellar Works」のショールームの一画。
「CREATE MORE FUN」は、デンマーク・コペンハーゲンのデザインイベント「3daysofdesign 2024」で好評だった体験型展示です。リサーチ活動を通じてデザイナーが導き出した8つのCMFクラスターを、キュレーションした素材のコレクションと共に紹介。さらに、「CMFフレームワーク」をインタラクティブなデザインツールとして体験できるプロトタイプの展示では、新たに「ステラワークス」とのコラボレーションも実施されます。
期間:2024年10月18日(金)〜10月27日(日)
会場:Stellar Works Showroom
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/design/CreateMoreFun_designart/
■Ronan Bouroullec: On Creative Session
製品プリーツの技術をものづくりの背景に、普遍的で新しい日常着を提案する「HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE」が、企画展「Ronan Bouroullec: On Creative Session」を21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて開催します。
本展は、ブランドとデザイナー/アーティストであるロナン・ブルレック氏が協業するプロジェクト「クリエイティブ・セッション」において、その創作の現場と交流を「ドローイング」と「服づくり」という二つの側面から紹介する展覧会。展示を通してデザインチームとブルレック氏の交流を明らかにします。
ドローイングからは原画やそれを収める映像作品を、服づくりからは技法ごとに分けた試作品や製作工程の映像を展示し、一着の服の発想から形になるまでの発展を追います。また、ブルレック氏がクリエイティブ・セッションについて語る映像により、デザインチームが同氏の精彩に満ちたドローイングに向き合い、服づくりで表現する過程とその挑戦を垣間見ることができるでしょう。
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
https://www.2121designsight.jp/gallery3/on_creative_session/
■GOOD DESIGN EXHIBITION 2024
2024年度グッドデザイン賞の受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2024」。本展では、10月16日に発表予定の「2024年度グッドデザイン賞」全受賞作が展示されます。
会場では、受賞作のなかでも特に評価が高い「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた対象100点や、長年愛され続けるデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」の受賞作品も紹介。また、学生・若年層向けの賞であるグッドデザイン・ニューホープ賞の2024年度受賞作も紹介されます。
なお、本展の公式ビジュアルのデザインを手がけたのは、木住野彰悟さん。新たなビジュアル要素をつくらないこと、普遍的であること、そしてグッドデザイン賞受賞展のそのままを表現することをテーマにつくられました。
会場:東京ミッドタウン内各所
https://www.jidp.or.jp/ja/2024/10/01/2024gde
■アートウィーク東京
東京を代表する美術館やギャラリー、アート業界をけん引するプロフェッショナルたちがつくりあげる現代アートの祭典「アートウィーク東京(以下、AWT)」。世界最高峰のアートフェアである「アートバーゼル」と提携し、東京の現代アートの「いま」を発信する国際的なアートイベントとして、コロナ禍のプレ開催を経て2022年より年に一度開催しています。
2024年は過去最多となる都内53の美術館やギャラリーなどのアートスペースが参加し、それぞれ多様な展覧会と共に参加者を迎えます。また、都内に点在するこれらのアートスペースやAWTのプログラム会場を、どこからでも乗り降り自由な無料のシャトルバスが巡回。
複数のアートスペースを巡ることで、それぞれの個性、そして東京の現代アートの「いま」を感じられます。
会場:アーティゾン美術館、銀座メゾンエルメス フォーラム、国立新美術館、資生堂ギャラリー、東京オペラシティ アートギャラリー ほか
https://www.artweektokyo.com/
■TOKYO ART BOOK FAIR 2024
11月28日から12月1日の4日間にわたり、東京都現代美術館にて「第14回TOKYO ART BOOK FAIR」が開催されます。
アート出版に特化した、日本ではじめてのブックフェアとして2009年にスタートした「TOKYO ART BOOK FAIR」。アートブックやZINEなどを制作する出版社やギャラリー、アーティストなどがブースを持ち、来場者と直接交流しながら書籍の売買をおこなうイベントです。
今年は、国内外から約300組の独創的なアートブックを制作する出版社、ギャラリー、アーティストらが集結し、つくり手たちが本の魅力を伝えます。ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する企画「ゲストカントリー」第8弾では、ドイツを特集します。
会場:東京都現代美術館
https://tokyoartbookfair.com/
今回は10のイベントをご紹介しましたが、このほかにもたくさんのイベントが都内のさまざまな場所で開催されています。お散歩にちょうどいい季節はあっという間に過ぎてしまうので、ぜひ新たな出会いや非日常感を求めてお出かけしてみてください!
編集:石田織座(JDN)