JTによる加熱式たばこデバイス「Ploom」のコンセプトショップ「Ploom Design House」が、アーティストのとんだ林蘭さんとコラボレーション。「Ploom Design House」の『愉しみを広げていく、デザインがある』というコンセプトを、とんだ林さんらしい軽やかでインパクトのあるデザインと世界観で表現した。
今回のコラボレーションにあたり、とんだ林さんの表現の起点やものづくりの発想、また、彼女から見る「Ploom」のプロダクトとしての魅力について話をうかがった。
「Ploom」をアクセサリーのように持ち歩けたら
――今回のコラボデザインは、どんな着想から生まれたのですか?
まず最初に商品を手にした時に、ちょうどいいサイズ感やころんとしたフォルムがかわいいという印象でした。これをアクセサリーのように持ち歩けたら素敵だろうなと思ったんです。
JTさんからは「お客さまがPloomを手に取る瞬間をも愉しめるような、心躍るデザインをつくりたい」とリクエストがあり、かなり自由度高くデザインしていいので、本当にやりたいことを提案してくださいと言っていただけました。
これまでほかの方々がコラボされたものも実際に見せていただき、パネルをべっ甲素材にしたり、デコレーションしたり、いろいろと選択肢はあったけれど、私はあえてメタリックなシルバーで統一しました。
私自身メタリックっぽいのも好きだし、シルバーが鏡っぽくていいなと思って。全部メタリックで統一して、モチーフもあえてわかりやすいものを乗せたらかわいいんじゃないかなというイメージからスタートしました。
――完成したものを手に取ってみていかがですか?
こうやって手に取れるものとして形になると、やっぱり嬉しいですね。最近はジャケットや広告、ミュージックビデオといった形のないディレクションの仕事も多いですが、ディレクションの仕事で感じる楽しさとはまた違う、手に取れる形になる楽しさを感じることができました。それに、お洋服などをデザインすることがあっても、加熱式たばこデバイスは初めてだったので、自分の中でも新鮮なコラボレーションでした。
たばこは吸わなくても生きていけるものだけど、美学を持っている人が嗜むものという印象があるので、そういう点でも見た目でキャッチーな印象が加わるといいかなと思います。そういう方にとって、Ploomは特別なシーンというより日々使うものだと思うので、そんな日常にいつもと違うパネルでちょっと新鮮さや高揚感を感じてもらえたら嬉しいですね。
――普段はお洋服のデザインも多いそうですが、こういったプロダクトのデザインとは違いますか?
洋服は身に着けるものなので、わりと抽象的な柄をつくることが多いんです。あまりにもわかりやすいモチーフだと着る人を選んでしまうという難しさがあって。だけどPloomは手に持つものなので、そういう意味ではつくりやすかったです。
ガーベラやネジなどパッと見て誰でわかるモチーフでも成り立つ気がして。Ploomだったら、このくらい大きくモチーフを乗せても活きるだろうと思いました。机の上に置いてもかわいいですよね。
5種類のデザインで日常に「選ぶ愉しさ」を
――今回5種類のモチーフをつくられましたが、モチーフ選びはどんな風におこなったのでしょうか?
つくる前はあまり何も考えていなくて、まずは「シルバーのベースの上にコラージュを乗せる」ということだけ決めた状態でパソコンに向かいました。普段コラージュをする時は、何も考えずにその日気になったモチーフをまず動かしてみるといった感じで作業しています。
今回もいつも通り、無意識に近い状態でモチーフを動かしながらデザインを進めました。上部に小さく光るライトがあるので、それだけ避けてほしいというリクエストがあったので、避けながらどうバランスを取っていこうかなということは考えました。最初にできたのは、ガーベラとネジのデザイン。まず1つ気に入ったデザインが完成し、次に仕上げたのがリボンと安全ピンのデザインです。
――依頼当初は2種類の予定が、最終的には5種類つくることになったと聞きました。
そうなんです。もともとは4種類のデザインを提案し、その中から2つほど選んでいただく予定だったんです。それが、予想外に全部つくりましょうとありがたいフィードバックがありまして。さらに追加で1種類つくってほしいと言ってもらい、最終的に5種類になりました。毎日ワードローブから洋服を選ぶように、「選ぶ愉しさ」を日常に取り入れてもらえたらと思っています。
――とんだ林さんが1つ選ぶとしたらどれでしょうか?
どれも気に入っていますが、1つ選ぶとしたらやっぱり最初にできたガーベラとネジのデザインです。あとはリップも気に入っています。リップのデザインは、Ploomのシンボルでもある中央のライトの場所にあえてモチーフを重ねました。
赤いリップ部分を光らせたら逆にかわいいかなと思って。多く提案するなら、こういうのももしかしたらアリかなと思っていたら全部採用していただいて。気に入っていたので嬉しかったです。
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